別れてある時‥‥
君が行け長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ
詠み人:磐姫皇后
あなたが旅に出られてずいぶん日が経ちました。
山を尋ねてお迎えに行こうか・・それとも待っていましょうか‥
春の野に霞たなびき咲く花のかくなるまでに会はぬ君かも
詠み人:不詳
気が付くとあたりは春の気配。野は霞びき花が咲いている。
あぁ・・最後に会ってからどれくらい月日は過ぎたのだろう
人言を繁みこちたみわが背子を目には見れども会ふよしもなし
詠み人:不詳
人の噂が多くて、私が思う方とは目を合わせるだけ‥
姿は見ても会ってお話しをしたり、触る事ができないなんて‥‥
月草のうつろひ易く思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
詠み人:大伴坂上大娘
あの方は月草のように変わりやすいお心をお持ちでらっしゃる。
私の思う人は何も言っては下さらない‥